大学生夏山登山リーダー研修会

報告書

2014年 9月22日

発行 東洋大学探検部

文責 山田陽介

活動名 :大学生夏山登山リーダー研修会

活動日時:2014年8月30日~9月5日(入山日は9月1日~9月4日)

参加者 :東洋からは山田のみ。全国の様々な大学から参加。南は熊本、北は北海道から参加。総勢35名。

活動目的:大学において登山活動を行うクラブ等のリーダーとリーダー候補者を対象に、基本的技術や基本的状況判断能力を習得するための研修を行い、チームを率いて安全で確実な登山を実践できるリーダーを養成する。

現地状況:一日目 曇りのち雨、二日目 晴れ、三日目 曇り時々霧、四日目 曇り時々雨

活動内容:8月30日 8時登山研修所集合。開会式、写真撮影を行った後、講義を受ける。ここでは読図技術について学ぶ。その後、班に分かれて昼食をとりながら、ミーティングを行う。ここで食料計画を決める。17時より確保理論についての講義を受ける。講義終了後、体に異常が無いか問診を受ける。問題は無いようである。問診終了後、ミーティングを行う。ここで今回の山行のルートが発表される。21時就寝。

8月31日 6時起床。立山駅周辺の清掃を行う。7時朝食。8時登山の医学についての講義を受ける。9時半、班毎にロープ操作について学ぶ。懸垂下降、ビレイ、ロープワークの練習を行う。17時装備点検、装備の割り振り、食材の下処理等を行う。夕食をとった後、危険箇所等の確認を行う。22時就寝。

9月1日 5時半起床。朝食をとった後7時20分のケーブルカーに乗車。その後バスに乗り換え、8時40分室堂到着。高度順応を終えた後、9時20分出発。雷鳥沢キャンプ場、剣御前小屋、剣沢雪渓出合到着。雨が本格的に降り始める。ここでアイゼンを装着する。アイゼンを装着するのに手間取り、予想外の時間を食う。15時半真砂沢ロッジに到着。テントを設営した後、テント内にて夕食を作る。夕食をとり、反省会をした後、20時就寝。

9月2日 この日の予定は荷物を真砂沢ロッジにデポし剱沢、北股雪渓を経由し、バリエーションルートを使いながら、池の平山山頂を目指す。帰りは登山道を使い、真砂沢ロッジに戻る。 3時起床。4時45分出発。途中雪渓が途切れており、進めない箇所があったため、脇へとそれる。7時北股雪渓に取り付く。ここからはバリエーションルーとなる。二日目とあって、前日よりは雪渓歩きにも慣れたようで、シュルンドに気をつけながらも順調に進む。途中休憩を挟みながら、8時45分尾根に取り付く。平の池を経由して、池の平小屋に10時到着。ここから池の平山山頂を目指すのは時間的に考えて厳しいと判断し、真砂沢ロッジへ引き返すことを決定する。帰りは時間に余裕ができたため、読図の練習をしながら戻る。14時20分真砂沢ロッジに帰還。その後、夕食をとり反省会をした後、20時就寝。

9月3日 この日の予定は長次郎谷、池の谷乗越を経由して剱岳山頂。そこから平蔵谷を下り、剱沢を目指す。剱沢を登り、登山研修所夏山前進基地にて幕営。 2時半起床。4時過ぎ出発。6時半、剱沢から長次郎谷に取り付く。熊の岩右俣を登攀中、2mはあるだろう岩が隊員のヘルメットをかすって落ちていく。あの岩がまともに当たっていれば、その隊員の命は確実に無かったであろう。その後、池の谷乗越を通り、剱岳を目指す。途中危険箇所ではフィックスロープを張り、確保を取りながら進む。13時剱岳到着。この時点で大幅に予定の時間が過ぎていたため、平蔵谷を通るルートは諦め、別山尾根を通っていくルートに変更する。前剱、一服剱を通過し、剱沢キャンプ場付近にある登山研修所夏山前進基地に16時半到着。この日は到着時間より大幅に遅れてしまったため、ペナルティとしてスクワット100回する。その後夕食を食べたあと、いつも通り反省会をし、8時前に就寝。

9月4日 予定はまず別山に向かい、そこから立山三山を縦走し、浄土山へと向かう。山頂にある富山大学立山研究所周辺にて搬送訓練、ツェルトの組み立て練習を行う。訓練後、室堂バスターミナルに到着して登山終了である。 3時半起床。5時出発して、6時ごろ別山山頂に到着する。尾根に出た時、風が強くガスも出ていた。その後真砂岳、大汝山、雄山、浄土山と立山連峰を縦走していく。この内の別山、雄山、浄土山を特に立山三山と呼び、それらの山の頂には祠があるのだが、それらを全てお参りすると願い事が叶うと言い伝えられている。私たちは別山、浄土山はお参りしたが、雄山は500円の入場料がかかるため、下からお参りすることに。その後、浄土山山頂にてツェルトの組み立て、搬送訓練等を行う。きちんと立てられたツェルトは意外と快適である。一通り訓練が終わった後、室堂を目指し下山。13時半、室堂バスターミナル到着。そこからバスに乗車し、研修所へ戻る。研修所に戻った後、体育館にて装備を干す。その後風呂に入り、夕食をとる。夕食後、班毎に集まり、全行程での反省をする。23時就寝。

9月5日 5時45分起床。施設内の清掃をして朝食。その後、前日に干していた装備を片付ける。8時より夏山の気象と雪渓についての講義を受ける。9時半より班毎に分かれてミーティングをする。13時今回の講師でもあるトップクライマーの方たちの話を聞かせていただく。その後、閉会式をした後16時半解散。

登山ルート

1日目

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2日目

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3日目

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4日目

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反省:鎖場、雪渓、10人という大人数のパーティなどといった事前に想定できる要因を見落とすことが多く、それによってかかる時間を考慮せずにコースタイムを考えてしまったため、予定よりも大幅に遅れをとってしまうことがあった。自分の危険に対しての認識が甘すぎたことを実感した。自分のルートファインディングのミスによって、何回か引き返すことがあった。

今後の発展:朝、晩としっかり食事を取らねば9時間、10時間行動といった長丁場の際、体が動かなくなるため、今後は食事の質を上げていきたい。特に朝は寝起きで面倒だがしっかりと食事を作らねばならない。テント内で生活する上で、もっと快適性を求めていきたい。地図やネットを使うことによって事前にもっと情報を集める。

剱岳山頂にて

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ツェルトの設営練習

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